FC2ブログ

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

溺れるものがつかむもの 第187話

東京都の例の条例案のことについての私的な考察。
俺の意見としては、条例案には反対だが、成人向け書籍を一般の書籍と売り場を分けて販売するなどの規制をかけることには賛成する。

この条例案が提案されたそもそものきっかけは、コンビニなどで成人向けの雑誌(単に「難しい」というのではなく、18歳未満に売るべきでないと発行側が表示してるものなど)が普通の雑誌と近接して置かれていること、そして表紙が往来からも見えやすい場所に出ているということに、PTAなどが苦言を呈したことだったように記憶している。
ちなみに、東京では確か、現状でもそういう本は立ち読みできないように袋詰めにしたりしてあったと思う(新潟では、単純に陳列棚に間仕切りを入れて、18歳未満への販売をしない旨と立ち読み自粛を求めるPOPが立ってる程度。記憶違いはご容赦を)。

その現状からもう一歩踏み込んだ住み分けを求めたのが、件の条例案の本来の趣旨だったはずである。
俺が聞き及んだ範囲では、成人向けの書籍や雑誌類を他の書籍とは完全に分離して、専用の売り場を店内に設けることを取り扱いの条件にするというものだったと記憶している。「成人向け」の内容は条例で定めるとしても、扱いとしては成人向けのゲームや映像作品などと同じ扱いにしろ、というのであれば角も立たなかっただろうし、表現の自由を殊更にそぐことも無かっただろう。単に、そういう書籍がコンビニや個人書店から撤去されるだけの話で済んだ可能性が高い。

しかし、問題になった条例案(今回のもの、及び修正前の案)では、何故か規制対象を漫画表現と写真に的を絞って挙げており、しかもその範囲が変に偏っているため、漫画家や出版社に猛反発を食らったのだ。
修正前の案では、「未成年と思しきキャラクタに対する性的な表現」を狙い撃ちにするような印象を与えたことで(この当時、人権保護のためとして実写の児童ポルノの規制が見直されて単純所持を禁止するようになったことも背景にはあるのだろうけど)、その規制の仕方は不平等だろうという声が上がり(表現そのものが直接に人権を侵すものではない以上、殊更にその表現を狙い撃ちにするのは合理性に欠くと、俺は考える)、昨年(だったかな?)の都議会では継続審議として見送りになった。
先日委員会を通過し、近く本会議で成立される見通しの修正案では、「漫画や映像作品における性的表現」のうち、「刑罰規定にかかるような形態のものを不当に賛美する表現を含む書籍」を販売規制の対象にする、としている。漫画大手の出版社による団体はこの条例に反発し、都主催のアニメイベントへの出展を取りやめると発表した。

俺個人の意見としては、何故わざわざそんなまどろっこしい制限をかけるのかが腑に落ちない。
もし、未成年にあまり刺激の強いものを見せたくないというのであれば、単純に「交わる」表現や「エロい」表現満載の雑誌や書籍を全部まとめて成人向けゲームと同じ区画に集約させれば事足りる。何より、様々な性癖に対して平等だ。
ところが、今回の修正案から受ける印象は(印象というのは、こと表現に関しては必要以上に大きい影響を及ぼすものだと考える)、合意の上の交わりであれば今まで通り置いても構わないけど、アブないことをやる表現は締め出しですよ、と言ってるようなものだ。締め出された側の人たちは、そういう思想を持ってるということだけで(実際には真っ当な生き方をしていたとしても)反社会的人物の烙印を背負わされるかも知れない(杞憂で終わればそれに越したことは無いが、表現への規制やお上の物言いは時として大きな禍根を残すことになるので非常に心配である)。
また、一部報道によれば、今回の条例案では小説など文章表現は規制の対象外とされたようであるが、この事も表現者側の反発を招く要因のひとつになっていると考えられる。つまり、同じ表現をするにしても、文章のみで表現した場合は規制の対象にならず、画入りにしたら隔離されます、となれば同じ表現者でも表現の幅は「小説家>漫画家」ということになり、不公平感は拭い切れないだろう。その不公平感が今回のような強烈な反発につながったというのが、俺の見解だ。

繰り返すが、俺自身は、性的表現や過度の暴力行為なんかを満載した雑誌やら書籍やらを一般の書籍と並べて置くな、という意見には賛成だし、そのための条例であれば別段反対はしない(その是非はともかく)。俺が問題視してるのは、表現技法に差異を設けること、そして表現の内容に中途半端あるいは不当な差異を設けることだ。
今回の条例案が、後に禍根を残さないで済んでくれればと、あとは祈るばかりである。
スポンサーサイト

コメントの投稿

非公開コメント

広告スペースとか
[PR]





ブログ内検索
プロフィール

のー天気

  • Author:のー天気
  • やる気は常に品薄。
    文章は駄文の域を超えない。
    とりあえず、色々当てられない。
    だが、それがいい。
リンク
RSSフィード
カテゴリー
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。